尿漏れを改善する薬は医師の指導のもとに正しく服用が鉄則!副作用はすぐに相談
若いころは起こらなかった「尿漏れ」が始まり、一人で悩んでいませんか?
日常的に尿漏れがおこると、毎日の生活の質に影響するので落ち着きませんよね。
近くにトイレがない外出先で不安になってしまうこともあるでしょう。
尿漏れでお悩みの方は「きっと治らない」と諦めずに、改善する努力をしてみましょう。
尿漏れの改善には「骨盤底筋(こつばんていきん)トレーニング」や「生活習慣の見直し」など様々な方法がありますが、1つ有効的な方法として挙げられるのが「薬物療法」です。
市販品や病院で処方される専用の薬を服用することで、尿漏れの症状の緩和や改善が期待できます。
ここでは、尿漏れの改善に役立つ薬や、副作用などについて解説していきます。
1.尿漏れの「4つの症状」あてはまる物はありますか?それぞれに適切なお薬があります
2.市販で販売されている尿漏れ専用の薬は「軽い尿漏れ」用
3.病院ではあなたの症状に合った適切な薬が処方されます
4.尿漏れの薬で副作用があらわれたらすぐに医師へ相談!
5.薬物療法以外でも尿漏れの症状の改善の可能性はあります
尿漏れの「4つの症状」あてはまる物はありますか?それぞれに適切なお薬があります
尿漏れの薬を服用する前には、自分の尿漏れの症状を理解することが必要です。
ひとくちに尿漏れといっても、様々な症状があります。
ここでは、尿漏れの4つの症状を紹介します。
腹圧性尿失禁
「くしゃみ」や「せき」など、お腹に力を入れると尿が漏れてしまうのが「腹圧性尿失禁(ふくあつせいにょうしっきん)」です。
腹圧性尿失禁は女性に多い症状で、骨盤の底にある「骨盤底筋(こつばんていきん)」の衰えによって症状が出始めることが多いです。
腹圧性尿失禁は、手術やトレーニングでの改善が一般的ですが、薬物療法で改善を目指すケースもあります。
切迫性尿失禁
尿意が突然きて、トイレまでガマンできずに尿漏れを起こしてしまう症状は「切迫性尿失禁(せっぱくせいにょうしっきん)」に分類されます。
脳からの指令がうまく伝わらず切迫性尿失禁が起こることもあれば、前立腺肥大症などの身体的な病気に伴って症状が出ることもあるので、病院で検査をしてもらうことが大切です。
切迫性尿失禁の治療の1つに、抗コリン薬を服用する手段があります。
溢流性尿失禁
排尿がうまくできず、残尿が膀胱からあふれ出てしまい尿漏れにつながる症状は「溢流性尿失禁(いつりゅうせいにょうしっきん)」と呼ばれます。
子宮脱(しきゅうだつ)や、前立腺肥大症(ぜんりつせんひだいしょう)などの病気に付随して症状が出るのが特徴です。
前立腺肥大症が原因であれば、前立腺肥大症を改善する薬を服用することで、尿漏れの症状もおさえることができます。
機能性尿失禁
排尿機能ではなく、身体運動機能の低下や認知機能の低下で尿漏れを起こしてしまう場合は「機能性尿失禁(きのうせいにょうしっきん)」と診断されます。
歩くことが困難でトイレに間に合わなかったり、認知症が原因でうまくトイレができなかったりと、原因は人によって様々です。
機能性尿失禁の場合は、改善策としてリハビリや生活環境の見直しなどが必要になります。
市販で販売されている尿漏れ専用の薬は「軽い尿漏れ」用
尿漏れを緩和する薬は、薬局でも購入することが可能です。
尿漏れ以外にも、頻尿や残尿感などの症状も緩和してくれる薬が販売されています。
大手製薬メーカーが販売している尿漏れ専用の薬では、ドリンクタイプやスティックタイプなどもあり、服用の頻度も1日2回程度なので手軽に摂取することが可能です。
ただし、市販品の場合は「軽い尿漏れ」の緩和を目指していることが多く、重程度の尿漏れでの服用にはあまりおすすめできません。
また、医師の治療を受けている人や、今までに薬の服用で発疹やかゆみなどを起こしたことがある人は、事前に医師や薬剤師に相談して服用できるかどうかを確かめる必要があります。
軽い尿漏れで悩んでいる方は、服用してみると効果が現れるかもしれませんが、尿漏れが特に気になる方は、専門の病院に相談するようにしましょう。
病院ではあなたの症状に合った適切な薬が処方されます
市販品ではなく、病院で薬を処方してもらうとより早い改善が見込めます。
また、病院で専門の医師に診断してもらうことで症状が明確になり、適切な治療法を提案してもらえるでしょう。
病院で処方される尿漏れ専用の薬の1つに「抗コリン薬」があります。
抗コリン薬は、膀胱のコントロールが上手くできなくなる「過活動膀胱(かかつどうぼうこう)」という症状に効果的です。
「過活動膀胱」は、アセチルコリンという物質が神経から過剰に分泌されることで起きますが、抗コリン薬にはこのアセチルコリンの分泌を抑える役割があるのです。
病院では、他にも「クレンブテロール」という薬を処方されることがあります。
クレンブテロールは、お腹に力を入れたときに尿漏れをしてしまう「腹圧性尿失禁」に特に効果的です。
このクレンプテロールには、排尿に関係する「膀胱平滑筋(ぼうこうへいかつきん)」を弛緩させ「尿道括約筋(にょうどうかつやくきん)」の筋緊張を上昇させる効果があります。
このように病院での薬は市販品に比べると、より高い効果が期待できますが、薬によっては副作用が出やすいこともあるので、身体に合わない場合はすぐに医師や薬剤師に相談しましょう。
尿漏れの症状によっては、薬の服用が必要ないこともあります。
医師と相談して、適切な治療法を提案してもらいましょう。
尿漏れの薬で副作用があらわれたらすぐに医師へ相談!
薬の服用では症状の改善が期待できますが、同時に副作用があらわれる恐れもあります。
病院で処方される抗コリン薬では口の渇きや便秘、吐き気などがあらわれる場合があり、副作用の喉の乾きで水分を余分に摂取してしまうことにより、尿漏れが悪化してしまうこともあるようです。
薬の服用が悪循環につながる可能性もあるので、副作用があらわれたら服用を中止して、すぐに医師へ相談しましょう。
抗コリン薬だけではなく、腹圧性尿失禁の症状を改善するクレンブテロールにも副作用はあります。
クレンブテロールの副作用としては、頭痛や吐き気などが挙げられます。
また、まれに脈がとんだり乱れたりする不整脈や、脱力感などがあらわれることもあるので、薬を服用して「おかしいな」と感じたときは、すぐに医師へ相談するようにしましょう。
人によっては少量の服用でも副作用が強くでることがあるので、たとえ尿漏れ改善に効果的であっても、薬の服用は慎重におこなうことが大切です。
薬物療法以外でも尿漏れの症状の改善の可能性はあります
ここまで尿漏れの改善に効果的な薬について説明してきましたが、薬に頼らなくても尿漏れの改善をはかることができます。
病院での手術で尿漏れを改善する
病院では薬の服用だけではなく、手術をして尿漏れを改善する方法があります。
例えば腹圧性尿失禁の手術には、テープを使った「TVT手術」や「TOT手術」があります。
手術ときくと大がかりで時間がかかるイメージがありますが、この手術は20分程度で施術が完了し、身体への負担も少ないことが特徴です。
一般的にTVT手術は重程度の尿失禁の方、TOT手術は軽度の尿失禁の方に勧められることが多いです。手術方法は、尿漏れ症状や過去の手術歴などによっても変わります。
治療をすすめるのと併用して尿漏れパンツで安心感
生活習慣の見直しや行動療法、お薬や手術で尿漏れの改善をはかることは大切です。
ですが、薬の服用も手術やほかの治療法も完璧なものは有りません。
もしもの時の安心のために、治療中にも尿漏れパンツを併用されることをおすすめします。
尿漏れには様々な症状があり、程度も人によって変わりますが、治療や生活習慣の見直しで改善することが可能です。
1つの改善法として薬の服用を挙げましたが、症状によって適切な薬は変わるので、薬剤師や医師の指導のもとに正しく服用しましょう。
薬の服用で尿漏れの緩和や改善が実感できれば、毎日の生活がより楽しく快適になるはずです。
何より大切なことは、尿漏れの症状を「どうせ治らないだろう」と諦めずに、積極的に改善しようとする姿勢です。
自分の症状を理解して、適切な改善方法を見つけましょう。